「逃げ地図」とは

「逃げ地図」とは、目標避難地点までの時間を色鉛筆で塗り分ける手づ くりの地図です。道路が色ぬりされることで、直感的に危険な場所と逃げ る方向を理解することができます。ですから、逃げ地図を見ながら、また は作りながらより安全な避難を考えたり、課題を考えたりすることもできます。

逃げ地図は、地図、色鉛筆、ヒモがあればつくることができます。1 本、 1 本の道路ごとに、手作業で色を塗り、それによって「地形」「形状」と「時 間」がリアリティを持って埋め込まれていきます。そして、地図上のすべ ての道路に色を塗っていくことで、普段使う道だけでなく、あまり使わな い道に目を向けますし、また個々の道と地域全体の道を交互に見ることで、 生活圏全体を把握することができます。

この、目標避難場所(部分)と地域全体が時間スケールが埋め込まれた 道路によって連続するのを視覚的に捉えられるのが逃げ地図の特性です。

できあがった「逃げ地図」は、地域にとって、また社会的にも、公共財として蓄積していく成果です。しかし、実は「逃げ地図」はつくっていく過程にも大きな意味を持ちます。「逃げ地図」のつくり手たちは、自分の思い、経験、現場知を自然と語りだします。逃げ地図づくりを通して、老若男女が防災について、避難について、自然にそして真剣に語り合う場ができるのです。つまり、「逃げ地図」はリスク・コミュニケーションの道具として機能するのです。

逃げ地図の作り方、およびワークショップの方法は日建設計ボランティア部が開発しました。